1.電気工事士の免状とは?
電気工事士の資格(免状)には、第一電気工事士と第二種電気工事士があります。
第二種電気工事士免状は試験に合格すると取得できますが、第一種電気工事士免状は試験合格に加え3年の実務経験が必要です。
2.電気工事士の免状を取得するまでの流れ
電気工事士免状取得の流れと工事従事の関係は、次のとおりです。
3.第一種電気工事士に必要な実務経験とは?
3.1.実務経験の対象となる電気工事
電気工事士法でいう電気工事とは、一般用電気工作物、小規模事業用電気工作物及び自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備)を設置・変更する工事(軽微な工事を除く)をいいます。実務経験の対象となる電気工事は、特殊電気工事、電圧5万V以上で使用する架空電線路工事及び保安通信設備工事以外の工事の経験となっています。
3.2.実務経験の対象とならない電気工事
実務経験の対象とならない電気工事とは、3.1.にある軽微な工事、特殊電気工事、電圧5万V以上で使用する架空電線路工事及び保安通信設備工事ですが、電気工事とならない工事の経験はもちろん対象にはなりません。
4.第一種電気工事士になるための実務経験を積む方法は?
4.1.①第二種電気工事士の資格を取る
第二種電気工事士は、一般用電気工作物及び小規模事業用電気工作物の工事ができ、その経験は実務経験になりますので、第二種電気工事士の資格をとることが必須です。
4.2.②認定電気工事従事者となる
第二種電気工事士資格だけでは自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備)の工事に従事できませんが、認定電気工事従事者は自家用電気工作物の低圧側の電気工事(電線路を除く。「簡易電気工事」という。)に従事することができ、その経験は実務経験になります。第一電気工事士試験合格者、第二種電気工事士免状の取得者で認定電気工事従事者認定講習を修了した者及び第二種電気工事士免状取得後電気工事に関し3年以上の実務経験を有する者は、産業保安監督部に申請し認定電気工事従事者認定証が交付されます。同講習は、当センターで実施しています。詳細は、電気工事技術講習センターHPを参照して下さい。
5.免状申請の具体的な方法
電気工事士免状は申請者の住所地を管轄する都道府県知事が交付しますが、事務を電気工事工業組合に委託している都道府県もあります。都道府県の申請窓口は電気技術者試験センターのHPにあります。
5.1.申請用紙の入手
各都道府県の申請窓口のHPには、交付申請の手続方法が記載され、申請書様式等のダウンロードができます。
5.2.実務経験証明書の記入と証明印の依頼(第一種電気工事士のみ)
第一種電気工事士免状交付申請に必要な実務経歴証明書の証明者は、工事を行った会社・団体の代表者です。複数の会社・団体で実務経験がある場合は、それぞれの証明書が必要です。記載様式・要領等は各都道府県申請窓口HPにありますが、申請時あるいは申請前に窓口に出向くなどして事前チェックを促しています。
5.3.必要書類と申請手数料の準備
交付に必要な書類は、次のとおりです。これに手数料(第一種電気工事士は6,000円、第二種電気工事士は5,300円)を添えて申請します。
・電気工事士免状交付申請書
・実務経験証明書及び免状等の写し(第一種電気工事士のみ)
・住民票等のコピー
・電気工事士試験合格通知
・顔写真
5.4.免状交付申請書の記入と申請書類の提出
申請書の記載に際しては、氏名・生年月日を住民票等と照らし正確に記載するなど間違いのないように記入してください。免状に旧姓の使用は可能です。提出は都道府県によって異なりますが、持参・郵送だけでなく電子申請が可能なところもあります。交付までの日数は、都道府県や申請時期によっても異なります。急ぐ場合は確認し、余裕をもって申請しましょう。
6.第一種電気工事士は定期講習受講が必要!
電気工事士法で、第一種電気工事士は経済産業省令で定めるやむを得ない事由がある場合を除き第一種電気工事士免状の交付を受けた日から5年以内に経済産業大臣の指定する者が行う自家用電気工作物の保安に関する講習を受けなければならない、当該講習を受けた日以降についても同様と規定されています。この講習を第一種電気工事士定期講習と呼んでいます。第一種電気工事士免状の交付を受けた日から定期講習を受講するタイミングを次に示します。
第一種電気工事士資免状に更新制度はなく、定期講習を受講しなくても免状は有効ですが、免状を有している限り受講義務があります。定期講習を受講しないと義務違反となり、都道府県知事は免状の返納を命ずることができます。電気工事に従事しないとして自主的に免状を返納することは可能です。その際は、各都道府県担当課にお問合せ下さい。
病気等のやむを得ない次の理由により、受講義務は免除されますが、その理由がなくなれば、速やかに講習を受講する必要があります。
・海外出張をしていたこと。
・疾病にかかり、又は負傷したこと。
・災害に遭つたこと。
・法令の規定により身体の自由を拘束されていたこと。
・社会の慣習上又は業務の遂行上やむを得ない緊急の用務が生じたこと。
・その他経済産業大臣がやむを得ないと認める事由があつたこと。
7.まとめ
一般住宅から産業分野にいたるまで、多種多様な電気設備(電気工作物)が存在し、発展しています。電気工事士は、このような電気設備をそれぞれの場所に設置し、使えるようにするための重要な役割を果たしています。社会の基盤を作り、支えているといっても過言ではありません。そのスタートは、第二種電気工事士の資格取得から始まります。経験を積んで第一種工事士になると、仕事の範囲は大きく広がります。電気工事士試験は難しい試験ではありません。しっかり準備をすれば合格できます。
第一種電気工事士は、5年ごとに定期講習を受け、最新の技術や法令の知識を学習しなければなりませんが、25年以上の実績がある電気工事技術講習センターがこれを提供しています。