講師よもやま話
接地工事は大事です

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松下正晴(まつした まさはる)
定期講習講師(知識、事故例、法令)

 接地工事の種類はA種からD種まであり、それぞれの接地基準に基づいた規定値がある事は皆さんもご存じだと思います。

 竣工検査では、最初に接地抵抗測定を実施して各接地抵抗値が基準を満たしているか確認してから、絶縁抵抗測定及び保護継電器試験等を実施します。

 絶縁抵抗測定では対地間と各回路との絶縁抵抗値で良否判定を行い、また漏電遮断器が確実に動作するためにも接地工事は大切な作業です。

 接地抵抗測定の方法には3極法や2極法がありますが、特高受配電設備の場合には広範囲に接地極を打ち込むため、電圧降下法で測定する場合もあります。

 この測定法では測定用の線を300mから600m引っ張り測定極を打ち込んで測定します。

 山間部に作られた風力用の特高受配電設備で電圧降下法の測定をする際は、測定用の線を引いていく作業員がイノシシの罠に掛かったり、マムシにかまれないように祈りながら見送ります。

 定期点検での接地抵抗測定の実施間隔は、各現場の規定で決められていると思いますが、埋立地では時間の経過と共に接地工事を行った土壌の状態が変化するため、接地抵抗値も変化し規定値を超える場合があるので、電気室周辺の地盤の状態に応じて接地抵抗測定を実施することをお勧めします。

 最後に、建物は基礎(土台)が大事なように、電気設備ではアース(接地工事)が重要な役割を担っていることを再認識したいと思います。  

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